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溝渕歯科便り

 2006年6月16日  治療を成功に導くキーワード
 定期的に来院される患者さんの中には、診療室を離れ、ゆっくり話を聞きたい魅力的な人が多くおられます。
 「歯科はトラウマでね 60 年ごぶさたでした。最近急に歯がぼろぼろになり、まともな食事ができなくなってね、何とかしてくださいな」と、笑みを浮かべて来院された 75 歳のおじいさん。若い頃は雀荘を経営するかたわら、メジャーな競馬場はもちろん、全国の地方競馬場や競輪場を回ったという根っからの博打好き。私も中央競馬のビッグレースには参戦することが多いので話が合い、メインテナンス後の雑談が楽しく思わず武勇伝に聞き入ってしまいます。
 「去年退職してね、やっと時間ができたから、これ以上口の中が悪くならないように通いますわ、予防やったら痛くないですよね」と言われた、某新聞社の元支社長さん。さすがに靖国やライブドア、村上ファンドなど、政治や経済の話題になると独特の自説を繰り広げられます。人事部に長く在籍されていたということで、実は私の評価が気になるところでもあるのです。
 逆に、久しぶりに来院される患者さんの中には、前回通院時の記憶からは考えられないくらい、お口の状態が極端に悪化しているケースがあります。「えーなんでこんなになるまで・・」と落胆してばかりはいられず、原因をつきとめなければいけません。そのような患者さんは、程度の差はあれ、お口の清掃状態が悪化している上に自己免疫力が低下しているという共通点があります。言い換えれば口まで気が回らない状況におられたという訳です。例えば、大病を負い長期にわたり体調を崩していた、仕事がうまくいかなくなった、家庭内に問題を抱えていた、精神的にバランスを崩していた、自律神経の変調から不定愁訴に悩まれていた、等々です。
 何が原因かを話してもらうことは本当に難しいですが、何とか本当の理由を聞きだせなければ、治療途中の中断確立が高くなり、健康なお口を取り戻してもらうことイコール、治療の成功は望めません。上に挙げたような雑談の中にヒントが隠されているように感じるこのごろです。
院長 溝渕 健一

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