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溝渕歯科便り

2003年12月6日 バイオフィルム
 口の中には多種多様の細菌が住みついています。しかし唾液や体液の中に含まれる抗菌物質や生体の自己免疫は意外と強く、むし歯菌、歯周病菌などの悪玉菌にとってはむしろ住みにくい環境にあるといえます。しかし、悪玉菌も手をこまねいて殺されてはいません。実に巧妙に歯の表面に取り付きます。まず自分たちが産生した糖や口の中に入ってきた砂糖に取り付き、他の細菌も取り込んで共同体(マイクロコロニー)を作りあげます。歯や歯根の表面はかっこうの住み家です。この共同体が合体して成熟したプラーク(歯垢)をバイオフィルムと言い、歯や歯肉に悪影響を及ぼす正体だったのです。
 バイオフィルムが形成されてしまうと悪玉菌は栄養状態がかなり悪くても生き延びることができるとともに抗生物質や抗菌剤、さらに生体の攻撃にも抵抗力を増すようになります。このバイオフィルムの中で悪玉菌が産生する酸がむし歯を作り、生体からでた悪玉菌を食べる細胞が、食べる事ができないため歯肉の中で酵素を出さざるをえなくなり、それが歯肉の状態の悪化や歯をささえる骨を吸収させる原因になるのです。
 少し難しかったかも知れませんが、同じプラーク(歯垢)でも二種類のプラークがあり、ブラッシング、いわゆるセルフケアで除去できるプラークはマイクロコロニーの状態の物であり、成熟したバイオフィルムはブラッシングでは簡単に除去できないのです。ここにプロフェッショナルケアが必要である大きな根拠があります。定期的なメインテナンス時に行うバイオフィルムの破壊やPMTCが大きな威力を発揮するのです。
院長 溝渕 健一

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